着物の保管に欠かせない着物用ハンガー。
しかし、「洋服用のハンガーで代用できないの?」「種類が多くてどれを選べば良いかわからない」という方もいるのではないでしょうか。
この記事では、着物ハンガーの選び方から、おすすめの商品、使い方、注意点まで詳しく解説します。
成人式の振袖や浴衣の着用後にも欠かせない着物ハンガー。
あなたの大切な着物を美しく保つための情報が満載です。

監修者
着付け師太田 明美(おおた あけみ)
着付け師・着付け講師・きものスタイリスト。美装流前結び着付講師。
2010年より着付け指導をスタートし、現在は「きもの永見」での指導を担当。美しさと快適さを両立した着付け指導で定評がある。
着物用ハンガーとは?洋服ハンガーとの違い
着物ハンガーは、着物を美しく、そして型崩れを防ぎながら保管するために設計された特別なハンガーです。
洋服ハンガーとは異なり、着物独特の形状や素材に合わせて作られており、着物を大切にする方にとって不可欠なアイテムと言えるでしょう。
着物は、その繊細さから保管方法を間違えると、シワや型崩れ、変色の原因となります。
そのため、着物ハンガーは、着物の美しいシルエットを維持し、長期にわたって品質を保つために重要な役割を果たします。
着物ハンガーの役割:着物を着る人には絶対に必要?
着物ハンガーは、着物を日常的に着用する方だけでなく、特別な日に着物を着る方にとっても必要不可欠なアイテムです。
着物は、その構造上、洋服のハンガーにかけるのは難しいもの。
無理に洋服ハンガーにかけて7しまうと、型崩れやおかしなシワの原因になりかねません。
着物ハンガーを使用することで、着物を広げた状態で保管することができ、シワや型崩れを防ぐことができます。
また、着物ハンガーは、着物の通気性を確保し、湿気によるカビや虫食いを防ぐ効果も期待できます。
特に、高価な着物や思い出の詰まった着物を干す際には、着物ハンガーは必須アイテムと言えるでしょう。
洋服ハンガーとの違い
洋服ハンガーと着物ハンガーの最も大きな違いは、その形状とサイズです。
洋服ハンガーは、洋服の肩のラインに沿った形状をしており、洋服を立体的に保つように設計されています。
一方、着物ハンガーは、着物の袖を通すことができるように、横に長い形状をしています。
さらに着物ハンガーは、着物の重みに耐えられるように、丈夫な素材で作られていることが多いです。
洋服ハンガーを着物に使用すると、着物の肩や袖に負担がかかり、型崩れの原因となることがあります。
さらに、洋服ハンガーでは着物全体の幅を支えきれないため、着物が床に擦れて汚れてしまう可能性もあります。
着物ハンガーは、着物専用に設計されているため、着物を傷めることなく、最適な状態で保管することができます。
どんな時に着物ハンガーを使うべき?
着物ハンガーは、主に着物を着用した後に使用することが推奨されます。
普段着として着物を着用した後、結婚式や成人式、卒業式などの特別な日に着物を着用した後、箪笥にしまっている着物の湿気を払うために定期的に虫干しする時など、着物ハンガーを使用します。
着物を着用した後は、保管前に半日~1日程度ハンガーにかけておくことが大切です。
着用後の着物は汗などで湿気がこもっているため、数時間陰干しして湿気を払わないとカビやシミの原因になります。
その時に着物専用のハンガーがないからといって洋服ハンガーに着物をかけてしまうと、着物がシワになったり、型崩れしたりする可能性が高いため、着物ハンガーを使用して、着物を最適な状態で保管することが大切です。
また、着物ハンガーは、着物を虫干しする際にも役立ちます。
虫干しとは、着物を風通しの良い場所で陰干しすることで、湿気や虫から着物を守るための手入れ方法です。
着物ハンガーを使用することで、着物を広げた状態で虫干しすることができ、効果的に湿気を取り除くことができます。
着物用ハンガーの選び方:3つのポイント
着物ハンガーを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。
これらのポイントを考慮することで、ご自身の着物に最適なハンガーを見つけることができます。ポイントを順番に確認していきましょう。
ポイント1:サイズの確認(袖丈と肩幅)
着物ハンガーを選ぶ上で最も重要なポイントの一つは、サイズの確認です。
着物ハンガーは、着物の袖丈と肩幅に合わせて選ぶ必要があります。
ハンガーのサイズが小さすぎると、着物の肩や袖に負担がかかり、型崩れの原因となります。
着物ハンガーを選ぶ際には、ご自身の着物の袖丈と肩幅を測り、そのサイズに合ったハンガーを選ぶようにしましょう。
一般的に、着物ハンガーには、通常サイズと長尺の2サイズがあります。
伸縮式の着物ハンガーであれば、様々なサイズの着物に対応できるため、便利です。
ポイント2:帯掛けの有無
着物ハンガーを選ぶ際には、帯掛けの有無も重要なポイントとなります。
着物を着用した後は、着物だけでなく帯も多くの湿気を含んでいます。
帯も半日~1日陰干しし、湿気を払う必要があります。
帯掛け付きの着物ハンガーを使用することで、帯をハンガーに掛けて同時に干すことができきます。
帯掛けがあれば着物と帯を一緒に陰干しできるため、省スペースになります。
どんな着物を着る時にも帯は必須アイテムなので、帯掛けもついた着物ハンガーを選ぶと便利です。
ポイント3:コンパクトに収納可能か
着物ハンガーを選ぶ際には、コンパクトに収納可能かどうかも考慮しましょう。
特に、クローゼットのスペースが限られている場合や、着物ハンガーを複数本収納する必要がある場合には、収納性の高いハンガーを選ぶことが重要となります。
折りたたみ式の着物ハンガーや、伸縮式の着物ハンガーは、使用しない時にはコンパクトに収納することができるため、おすすめです。
着物ハンガーを選ぶ際には、収納時のサイズや形状を確認し、ご自身のクローゼットのスペースに合わせて最適なものを選びましょう。
コンパクトに収納できる着物ハンガーを選ぶことで、クローゼットの中を有効活用することができます。
きもの永見おすすめ!人気の着物ハンガーと口コミ
着物ハンガーは様々な種類があり、どれを選べば良いか迷ってしまう方もいるかもしれません。ここでは、きもの永見がおすすめする人気の着物ハンガーをご紹介します。
◎着物ハンガー【長尺タイプ】帯掛け付き、最長140cm、三段階伸縮式
この着物ハンガーは、長尺タイプで、帯掛けも付いているため、着物と帯を一緒に保管することができます。
最長140cmまで伸び、さらに三段階に調整できるため、どんなサイズの着物にも対応可能です。
また、伸縮式のため使用しない時にはコンパクトに収納することができます。
素材は硬度の高いポリカーボネートを使用しており、優れた耐久性と軽量性を実現。
振袖など袖が長く重量のある着物の重みにも耐えることができます。
価格もお手頃なので、初めて着物ハンガーを購入する方にもおすすめです。
着物ハンガーを実際に使用している方の口コミ&評判
実際に着物ハンガーを使用している方の口コミや評判は、着物ハンガーを選ぶ上で非常に参考になります。
ここでは、きもの永見おすすめの着物ハンガーを実際に使用している方の口コミをご紹介します。
「着物をシワなく陰干しできるので、とても助かっています。」
「娘の成人式の振袖用に購入。洋服ハンガーと違い袖部分が伸びるため綺麗に干せました。」
「帯掛けが付いているので、帯を干す時にも困りません。」
「伸縮式なので、コンパクトに収納できるのが便利です。」
「価格もお手頃なので、気軽に購入できました。」
これらの口コミからもわかるように、着物ハンガーは、着物を美しく保存するために役立つアイテムです。
ぜひ、ご自身の着物に合わせて、最適な着物ハンガーを選んでみてください。
着物ハンガーの使い方と注意点
着物ハンガーは、正しく使用することで、着物を美しく保つことができます。
ここでは、着物ハンガーの使い方と注意点について解説します。
着物ハンガーの使い方
着物ハンガーの使い方は、まず着物を広げ、着物ハンガーの肩部分に着物の肩を合わせます。
次に、着物の袖をハンガーに通し、着物全体の形を整えます。
帯掛けが付いている場合は、帯を帯掛けに掛けます。
着物ハンガーに掛けた着物は、直射日光の当たらない場所を選んで掛けておきましょう。
着物の裾が床に擦れないよう、掛ける場所の高さにも注意が必要です。
着物ハンガーを使用する際には、着物を無理に引っ張ったり、変なところにシワがつかないよう丁重に扱いましょう。
着物ハンガーを正しく使用することで、着物をシワや型崩れから守り、美しい状態を保つことができます。
着物ハンガーの注意点
着物ハンガーを使用する際には、いくつかの注意点があります。
まず、着物ハンガーは、着物の重さに耐えられる丈夫なものを選びましょう。
安価な着物ハンガーは、着物の重みに耐えられず、破損してしまう可能性があります。
次に、着物ハンガーは、直射日光を避けて保管しましょう。
直射日光は、素材の劣化をまねく恐れがあります。
着物ハンガーは安心できる専門店で購入し、直射日光を避けて保管することで長く愛用することができます。
まとめ:着物ハンガーで大切な着物を美しく保管しましょう
着物ハンガーは、大切な着物を美しく保管するために欠かせないアイテムです。
着物ハンガーを選ぶ際には、サイズ、帯掛けの有無、素材、耐久性、収納性などのポイントを考慮し、ご自身の着物に最適なものを選びましょう。
着物ハンガーを正しく使用し、適切な場所に保管することで、着物をシワや型崩れから守り、美しい状態を長く保つことができます。
また、着物ハンガーは、着物を虫干しする際にも役立ちます。
着物ハンガーを活用して、大切な着物を美しく保管し、いつでも気持ちよく着物を楽しめるようにしましょう。
この記事が、着物ハンガー選びの参考になれば幸いです。

記事制作
きもの永見コンテンツ制作チーム
天保3年(1832年)創業、老舗呉服店「きもの永見」。190年を超える歴史の中で培った着物への深い知識と、現代の感性を融合させた情報発信を行っています。
現代のライフスタイルに合わせた楽しみ方を提案。「着てみたい」「知りたい」という気持ちに寄り添い、着物の世界への入口となる記事をお届けします。