仕立て上がりの胴抜き長襦袢は、着物を気軽に楽しむための強い味方です。特に地球温暖化で季節を問わず気温の高い日が続く最近では、着物をより快適に着るために胴抜き長襦袢は心強い味方となります。
着物初心者さんから着物上級者さんまで、快適な着心地で着物ライフを豊かにする、おすすめの胴抜き長襦袢と選び方のポイントをご紹介します。

監修者
着付け師太田 明美(おおた あけみ)
着付け師・着付け講師・きものスタイリスト。美装流前結び着付講師。
2010年より着付け指導をスタートし、現在は「きもの永見」での指導を担当。美しさと快適さを両立した着付け指導で定評がある。
胴抜き長襦袢とは?その魅力と選び方の基本
胴抜き長襦袢は、着物を快適に着るための工夫が凝らされた下着です。
通常の長襦袢と異なり、胴の部分が単衣仕立てになっているのが特徴です。これにより、汗をかきやすい季節でも、蒸れにくく涼しく過ごせるというメリットがあります。
特に、春や秋など、気温の変化が激しい時期には、体温調節がしやすいため重宝します。
胴抜き長襦袢を選ぶ際には、素材、サイズ、そして仕立ての良さが重要なポイントとなります。素材は、肌触りの良い綿や麻、吸湿速乾性に優れた化学繊維など、様々な種類があります。ご自身の肌質や、着る季節に合わせて選ぶと良いでしょう。サイズは、着物とのバランスを考慮し、裄丈や身丈が適切であるかを確認することが大切です。仕立てに関しては、縫製の丁寧さや、衿の形などが着心地に影響するため、細部までチェックすることをおすすめします。
胴抜き仕立てとは?胴抜き長襦袢の構造と特徴
胴抜き仕立てとは、長襦袢の構造における工夫の一つで、胴回りの身頃部分に肌襦袢の生地を使った仕立て方のことです。この仕立てにより、通気性が向上し、特に汗をかきやすい胴回りの蒸れを軽減する効果が期待できます。
具体的な構造としては、袖や裾といったちらりと見える部分には本来の長襦袢の生地で仕立てられており、これらの部分は袷(あわせ)仕立てと同様の構造を持ちます。
一方、外から見えることのない胴の部分は裏地がなく、単衣(ひとえ)仕立てとなっています。
この構造の違いが、胴抜き長襦袢の最大の特徴であり、快適な着心地を実現する理由です。
胴抜き仕立ての長襦袢は、特に春や秋といった季節の変わり目に適しています。これらの時期は、気温の変化が大きいため、着るものに困ることがありますが、胴抜き長襦袢であれば、暑すぎず寒すぎず、快適に過ごすことができます。
仕立て上がり長襦袢を選ぶメリット
仕立て上がりの胴抜き長襦袢を選ぶメリットは、主に以下の点が挙げられます。
まず、時間と手間を大幅に削減できるという点です。
オーダーメイドで長襦袢を仕立てる場合、採寸や生地選び、仕立て期間など、多くの時間と手間がかかります。しかし、仕立て上がりであれば、すぐに着用できるため、急に着物を着る用事が出来て長襦袢が必要になった際にも対応できます。
次に、価格が手頃であるという点です。
オーダーメイドに比べて、仕立て上がりの長襦袢は一般的に価格が安く設定されています。そのため、着物を始めたばかりの方や、普段着として気軽に長襦袢を着たいという方におすすめです。
さらに、サイズ展開が豊富な点もメリットです。
多くの場合、S、M、Lといったサイズ展開がされており、ご自身の体型に合ったものを選びやすくなっています。
ただし、仕立て上がりの長襦袢を選ぶ際には、以下の点に注意が必要です。
まず、サイズが合っているかを確認することです。
裄丈や身丈が短すぎたり長すぎたりすると、着心地が悪くなるだけでなく、着物の着姿にも影響します。
次に、素材や縫製がしっかりしているかを確認することです。
あまりにも安価なものの中には、品質が低いものもあるため、注意が必要です。
素材で選ぶ:快適性を左右するポイント
胴抜き長襦袢の快適性を大きく左右するのが素材選びです。素材によって肌触りや吸湿性、通気性などが異なるため、季節や用途に合わせて適切な素材を選ぶことが重要です。
代表的な素材としては、綿、麻、ポリエステルが挙げられます。綿は、肌触りが良く、吸湿性に優れているため、普段使いにおすすめです。ただし、洗濯すると縮みやすいというデメリットもあります。麻は、通気性が良く、シャリ感のある肌触りが特徴です。
夏場に涼しく着用できますが、シワになりやすいというデメリットがあります。ポリエステルは、吸湿速乾性に優れており、洗濯しても縮みにくいというメリットがあります。
また、比較的安価であるため、手軽に購入できます。
近年では、これらの素材を組み合わせた複合素材も多くあります。例えば、綿とポリエステルを混紡した素材は、綿の肌触りの良さとポリエステルの扱いやすさを兼ね備えています。
素材を選ぶ際には、ご自身の肌質や、着る季節、お手入れの頻度などを考慮し、最適なものを選びましょう。
胴抜き長襦袢の良いところは?
胴抜き長襦袢の最大の魅力は、その快適な着心地にあります。
通常の長襦袢と比べて、胴回りの蒸れを軽減できるため、汗をかきやすい季節でも快適に過ごせます。特に、春や秋といった季節の変わり目や、夏場の着物着用時には、その効果を実感しやすいでしょう。
また、胴抜き長襦袢は、着物初心者の方にもおすすめです。なぜなら、着付けが簡単であり、着崩れしにくいからです。胴回りがすっきりとしているため、着物との間に余分な膨らみができにくく、美しい着姿を保てます。
さらに、胴抜き長襦袢は、お手入れが簡単なものが多いというメリットもあります。
ポリエステルや綿素材のものは、洗濯機で洗えるものが多く、お手入れの手間を軽減できます。
このように、胴抜き長襦袢は、快適な着心地、着付けのしやすさ、お手入れの簡単さなど、多くのメリットがあります。着物をより身近に、そして快適に楽しみたいという方には、ぜひおすすめしたいアイテムです。
ただし、冬場など、気温が低い時期には、防寒性が低いというデメリットもあります。そのため、冬場には、通常の袷タイプの長襦袢や、保温性の高い肌着などを着用することをおすすめします。
きもの永見おすすめ!仕立て上がり胴抜き長襦袢
きもの永見がおすすめする、仕立て上がりの胴抜き長襦袢を紹介します。
◎仕立て上がり 胴抜き長襦袢 | 衣紋抜き・半衿付き
きもの永見が自信を持っておすすめする、仕立て上がり胴抜き長襦袢(衣紋抜き・半衿付き)は、着物初心者の方からベテランの方まで、幅広く支持されている人気商品です。
この長襦袢の最大の特徴は、胴部分の身頃がさらし天竺の綿100%で仕立てられているという点です。さらし天竺は汗をしっかり吸収し、着崩れを防ぎます。
もう一つのメリットは、衣紋抜きと半衿がすでに縫い付けられているという点です。通常、長襦袢に衣紋抜きや半衿を付けるのは手間がかかる作業ですが、この長襦袢であれば、届いたその日からすぐに着用できます。
袖・裾は光沢があり美しいポリエステル100%を使用しているため、快適な着心地でありながら、お手入れも簡単です。さらに、サイズ展開も豊富で、S、M、Lといったサイズから、ご自身の体型に合ったものを選べます。
きもの永見では、この長襦袢を、お手頃な価格で提供しております。着物を始めたばかりの方や、普段着として気軽に長襦袢を着たいという方におすすめです。
実際に使用した方の口コミ
実際にきもの永見の仕立て上がり胴抜き長襦袢をご使用いただいたお客様からは、多くの喜びの声をいただいております。
「着付けが簡単で、時間がない時でもすぐに着物を着られるのが嬉しい」
「胴回りの汗取り効果が抜群で、着物や帯に汗が移らなくて安心」
「自宅で水洗い可能なので、お手入れが楽」
「価格が手頃なのに、品質が良い」
これらの口コミは、きもの永見の仕立て上がり胴抜き長襦袢が、多くのお客様に支持されている証拠です。
また、サイズに関する口コミもいただいております。
「M寸の丈が長いタイプもあり、自分の体型に合ったサイズが見つかって良かった」
これらの口コミをもとに、ぜひご自身にあったサイズの長襦袢を見つけてみてください。

着付け師 太田 明美(おおた あけみ)
仕立てあがっているので届いてすぐ着られます。自宅で水洗い可能なのも嬉しいポイントです。
長襦袢を長く愛用するために!お手入れと保管のコツ
長襦袢を長く愛用するためには、適切なお手入れと保管が欠かせません。ここでは、長襦袢を美しく保ち、快適な着心地を維持するためのコツをご紹介します。
まず、着用後は、必ず陰干しをしましょう。汗や湿気をしっかりと取り除くことで、カビや虫食いを防ぐことができます。
次に、洗濯方法ですが、素材によって適切な方法が異なります。綿や麻素材のものは、洗濯機で洗えるものもありますが、縮みやすいので、手洗いをおすすめします。ポリエステル素材のものは、洗濯機で洗えるものがほとんどですが、洗濯ネットに入れて、弱水流で洗いましょう。
また、アイロンをかける際は、必ず当て布をしてください。特に、衿や袖口など、シワになりやすい部分は、丁寧にアイロンをかけると、美しい仕上がりになります。
最後に、保管方法ですが、湿気の少ない場所に保管しましょう。防虫剤を使用すると、虫食いを防ぐことができます。また、長襦袢を畳んで、たとう紙に入れて保管すると、型崩れを防ぐことができます。
洗濯方法と注意点
長襦袢の洗濯方法は、素材によって異なりますが、基本的には以下の点に注意して洗濯しましょう。
まず、洗濯表示を確認し、洗濯機で洗えるか、手洗いが必要かを確認しましょう。洗濯機で洗える場合は、洗濯ネットに入れて、弱水流で洗いましょう。
次に、中性洗剤を使用しましょう。漂白剤や蛍光増白剤入りの洗剤は、色落ちや変色の原因となります。
また、脱水時間は短めにしましょう。脱水時間が長いと、シワになりやすくなります。さらに、乾燥機は使用しないようにしましょう。乾燥機を使用すると、縮みや型崩れの原因となります。
最後に、洗濯後は、すぐに陰干しをしましょう。直射日光に当てると、色あせの原因となります。
保管方法
長襦袢の保管方法で最も重要なことは、湿気を避けることです。湿気はカビや虫食いの原因となるため、風通しの良い場所に保管しましょう。
具体的には、桐箪笥や衣装ケースなどがおすすめです。桐は、調湿効果があり、湿気を吸収してくれるため、長襦袢の保管に適しています。また、長襦袢を畳んで、たとう紙に入れて保管すると、型崩れを防ぐことができます。たとう紙は、湿気を吸収してくれる効果もあります。
さらに、防虫剤を使用すると、虫食いを防ぐことができます。防虫剤は、直接長襦袢に触れないように、たとう紙の上に乗せるようにしましょう。
半衿の付け方と交換時期
半衿は、長襦袢の衿に縫い付ける布で、着物を汗や皮脂から守り衿元を美しく見せる役割があります。
半衿は基本的には消耗品です。時期がきたら手縫いで付け替えます。
付け方は、半衿を長襦袢の衿にまち針で留め、細かく縫い付けていきます。半衿を付ける際には、以下の点に注意しましょう。
まず、半衿が長襦袢の衿の中心にくるように、バランス良く縫い付けましょう。次に、半衿がたるまないように、しっかりと縫い付けましょう。
半衿の交換時期ですが、汚れが目立ってきたら交換しましょう。また、季節や用途に合わせて、半衿の色柄を変えるのもおすすめです。
近年では、両面テープで簡単に貼り付けられる半衿も販売されています。手軽に半衿を交換したいという方におすすめです。

着付け師 太田 明美(おおた あけみ)
永見の「胴抜き長襦袢」は半衿を付けたまま洗濯OK。当分は半衿の付け替えなしで着用可能で楽チンです。
【まとめ】手軽な仕立て上がり胴抜き長襦袢で
仕立て上がりの胴抜き長襦袢は、着物を手軽に楽しむための強い味方です。その快適な着心地と、手入れのしやすさから、着物初心者の方からベテランの方まで、幅広く支持されています。
今回ご紹介したように、胴抜き長襦袢には、様々な素材やサイズ、色柄があります。
ご自身の好みや用途に合わせて、最適なものを選びましょう。また、長襦袢を長く愛用するためには、適切なお手入れと保管が欠かせません。洗濯方法や保管方法に注意し、長襦袢を美しく保ちましょう。
きもの永見では、お客様に快適な着物ライフを送っていただくために、様々な仕立て上がりの胴抜き長襦袢をご用意しております。ぜひ、お気軽にご相談ください。

記事制作
きもの永見コンテンツ制作チーム
天保3年(1832年)創業、老舗呉服店「きもの永見」。190年を超える歴史の中で培った着物への深い知識と、現代の感性を融合させた情報発信を行っています。
現代のライフスタイルに合わせた楽しみ方を提案。「着てみたい」「知りたい」という気持ちに寄り添い、着物の世界への入口となる記事をお届けします。
着付け師 太田 明美(おおた あけみ)
昨今の日本は1年を通して気温の高い日が多いので、涼しい胴抜き長襦袢が1枚あると様々な気温に対応できますよ。