👘着物用コートの脱ぎ方は難しい?美しく脱ぐ方法&コンパクトなたたみ方を画像で解説!【道中着・道行】

👘着物用コートの脱ぎ方は難しい?美しく脱ぐ方法&コンパクトなたたみ方を画像で解説!【道中着・道行】

着物でお出かけするときに欠かせない「道中着」や「道行」の着物コート。
でもいざ脱ぐとなると、「あれ? なんだかモタモタしてしまう…💦」なんて経験、ありませんか?

実は、着物用のコートは洋服のコートよりも脱ぎ方にちょっとしたコツが必要なんです!
着物コートは袖の形や素材の影響で、スッと美しく脱ぐのは意外と難しいもの。

着付け師 太田 明美(おおた あけみ)

着付け教室でも「着物用コートをうまく脱げない」とお悩みのお声をよく耳にします。

 

コートのきれいな脱ぎ方&たたみ方でお困りのあなた、もう大丈夫💡
今回は着付け師・太田が、上品に見えるコートの脱ぎ方と、シワにならないたたみ方を丁寧にご紹介します。
ポイントを押さえれば、おしゃべりしながらでもスマートかつ優雅にコートを脱げるようになりますよ♪

コートが欠かせない秋・冬に着物を着てお出かけするときに、ぜひ思い出してやってみてくださいね。

着物用コートの脱ぎ方が難しいのはなぜ?💦

着物用のコート・道中着や道行を脱ぐときに、「なんだかきれいに脱げない...💦」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。

着物用コートは形状や素材の特性上、洋服のコートとちがって脱ぐのが難しいんですよね。

コートの袖と着物の袖がぴったり重なるため

着物用のコートは、着物と袖の形がまったく同じ形&サイズも合うように仕立てられています。

だからどうしても袖同士がぴったりと重なって、脱ぐときにもくっついてきてしまうんですよね。

洋服用のコートのように脱ごうとしても、袖がひっかかったり、脱ぐときにコートの袖が裏返しになってしまったり...。なかなか難しいものです。

静電気が起こりやすいため

冬の時期は特に、空気が乾燥して静電気が起きやすくなります。

基本的に絹(シルク)は静電気が起こりにくい素材ではありますが、乾燥する季節はコートと着物の生地が擦れて、袖がくっついたりまとわりついたりして脱ぎにくいことも…。

絹素材がメインで滑りやすいため

着物用のコートは、絹の反物を道中着・道行に仕立てることが多いです。

絹はしなやかで美しい反面、滑りやすいという特徴もあります。洋服用のコートとちがって落ち感のあるなめらかな生地のため、脱ぐのはもちろんたたむのにもコツが必要なんですよね。

着物用コートを適当に脱いでまとめるデメリット⚠️

急いでいたり慌てていると、着物用コートを適当に脱いでひとまとめにしてしまうシーンもあるのではないでしょうか。でも、着物用コートは洋服用コートよりも丁寧に扱わないと後悔することも...。

デメリット① 脱ぐのにモタついて時間がかかる

急いで脱ごうとすると、袖が絡まって「わ、抜けない!💦」なんてことも。

結局時間がかかって、見ている方もハラハラしてしまいます。

でも、着物を着ているときの動作は“ゆっくり”が基本。焦らず丁寧に脱ぐほうが、結果的に早くスムーズなんですよ。

デメリット② 見た目が美しくない

せっかく素敵な着物を着ているときは、所作も美しくしたいですよね✨

急いでいるとつい慌ててしまいますが、コートを雑な感じで脱いでいる様子は、あまり美しいとは言えませんよね。丁寧な動作を心がけることで、着姿が上品で美しく感じられます。

後で紹介する美しいコートの脱ぎ方を覚えて、優雅な所作を身につけちゃいましょう!

デメリット③ コートがしわになる

着物用の絹のコートは、しわになりやすいので注意が必要⚠️

適当にまるめてバッグに入れてしまったりすると、後で広げてショック!大切なコートがしわしわ...なんてことも。シルクは一度しわになると、元に戻すのが大変。お手入れに出してプロにお願いしなくてはなりません。

だからこそ、ひと手間かけて丁寧な動作で脱いでたたむことで、後悔を防ぐことができますよ♪

着付け師 太田 明美(おおた あけみ)

コートの美しい脱ぎ方&たたみ方は、一度覚えれば意外と簡単!解説を見ながら一緒にやってみてくださいね。

覚えれば簡単!着物用コートの美しい脱ぎ方&たたみ方【図解】

着付け師太田おすすめ・着物用コートの美しい脱ぎ方&たたみ方を画像とともに丁寧に解説します💡

手順① コートの紐をほどく

まずはコートの紐を丁寧にほどきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

右⇒左の順に、紐が痛まないようにそっと外しましょう。

手順② 衿を肩から外す

次に、衿を肩から外します。

左右の手で両衿を持って、肩のコート地を着物からはがす感覚です。

手順③ 袖口を引いて袖を抜く

両手を背中にまわして、両方の袖口から少しずつ抜いていきます。

まずは左の袖を引き抜き、次に右袖を抜きます。

袖を抜いた後も、袖口から手を離さずにいてくださいね~。

手順④ 両袖口をつまんで袖山・肩山を揃えて二つ折りに

両方の袖を抜いたら、そのまま両袖口をつまんで袖山・肩山を揃えます。

右手に両袖口をまとめて持たせて、左手で袖山~肩山を合わせていきましょう。揃えた袖山・肩山がズレないようにキープしながら、背中合わせの二つ折りにたたみます。

袖山(上の部分)と肩のラインを揃えるように整えると、形がきれいにまとまります。

ここでのひと手間がたたんだ後の仕上がりの美しさを左右しますよ。

手順⑤ 袖を身頃に倒して袖の振りと脇線を合わせる

背中合わせに二つ折りになった状態のコートを胸元に預けて、さらにたたんでいきます。

胸元にくっつけた状態で袖を身頃に倒し、左手で上部分を持ち、右手で袖の振りと脇線を合わせていきます。

手順⑥ 袖底と脇線を持ち直して裾と肩を合わせる

たたみ終わるまでもうすぐですよ~!👌

袖底と脇線を持ち直して、下から上に向かって裾と肩を合わせます。

手順⑦ 二つ折りにしまとめて完成!

裾と肩を合わせて最後に二つ折りにして、さらにもう一回折りたたんでまとめれば完成です!

かなりコンパクトにまとまりました♪

きれいにたたんであるので、このまま風呂敷やバッグに入れてもしわになりません💛

ここまでの動作を流れるようにできるようになると、本当に美しいです。
おしゃべりしながらでも、自然に一連の動きができたら素敵ですね。

何度かやってみるうちに所作が身につくので、流れでできるように意識してみてくださいね✨

着物用コートの脱ぎ方&たたみ方でよくある質問

着付け教室の生徒さんからよくある「着物用コートに関する質問」にお答えします。

Q1.着物用コートはいつ・どこで脱ぐのが正解?

基本的には、着物用のコートは建物の入り口や玄関先で脱ぐのがマナーです。洋服でいう「コートをクロークで預ける」と同じイメージですね。

コートとちがい、羽織は「室内でも着たままでOK」。コートは外出時に着るもので室内では脱ぐのが基本なので、覚えておくと安心です。

Q2.着物用コートの室内での収納方法は?

脱いだコートは、たたんだ後に風呂敷などに包むか、大きめのバッグにしまうのがおすすめです。羽織とちがい室内では必ず脱ぐものなので、あらかじめコートをしまうことを考慮して風呂敷やバッグを用意しましょう。

結婚式場などで荷物を預ける場合は、たたんだ後に風呂敷などに入れて預けるのがよいでしょう。

Q3.外出時、脱いだコートをどう持てば上品に見える?

たたんだコートがバッグ等に入らない場合は、小さくたたんで腕に抱えるか、背中合わせにたたんで二つ折りにした状態で腕にかけるとよいでしょう。

ただし、手でそのまま持つと動いている内にしわになる可能性があるので、できれば風呂敷やサブバッグなどを用意して出かけるのがおすすめです。

まとめ|着物用コートを脱ぐときも上品な所作で美しく!詳しくは動画をチェック

着物用のコートを脱ぐ動作って、意外と人から見られているものです。
だからこそ、ゆっくり・丁寧に・流れるようにがポイント👆

最初は少し難しく感じるかもしれませんが、何度か練習するとすぐに慣れます。
脱ぐ瞬間も、畳む動作も、すべてが美しい所作の一部。着物ならではの “和の動きの美しさ”を楽しみながら、ぜひ実践してみてくださいね。

動画では実際の動きをわかりやすく解説していますので、ぜひそちらもチェックしてみてください😊

太田のインスタグラムで動画で説明しています。ぜひフォローしてくださいね!

 

太田 明美

監修者

着付け師太田 明美(おおた あけみ)

着付け師・着付け講師・きものスタイリスト。美装流前結び着付講師。

2010年より着付け指導をスタートし、現在は「きもの永見」での指導を担当。美しさと快適さを両立した着付け指導で定評がある。

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