伊達締めの素材・タイプ別おすすめは?季節ごとの選び方も

伊達締めの素材・タイプ別おすすめは?季節ごとの選び方も

着物姿を美しく仕上げる伊達締め。素材やタイプによって特徴や適した季節が異なります。この記事では、素材・タイプ別の伊達締め選びのポイントとおすすめ商品をご紹介します。定番人気の正絹博多織の伊達締めから、化学繊維、あづま姿の伊達締めまで、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説し、あなたにぴったりの伊達締めを見つけるお手伝いをします。

太田 明美

監修者

着付け師太田 明美(おおた あけみ)

着付け師・着付け講師・きものスタイリスト。美装流前結び着付講師。

2010年より着付け指導をスタートし、現在は「きもの永見」での指導を担当。美しさと快適さを両立した着付け指導で定評がある。

伊達締めとは?役割と種類

伊達締めは、着物姿を美しく保つために欠かせない和装小物です。着崩れを防ぎ、快適な着心地をサポートする重要な役割を担っています。

伊達締めの基本的な役割

伊達締めの主な役割は、着物の着崩れを防ぎ、美しいシルエットを保つことです。 
具体的には、以下の3つの役割が挙げられます。 

1.着物のシワを防ぐ:伊達締めは、着物と長襦袢の間に挟むことで、生地同士が擦れるのを防ぎます。これにより、着物にシワが寄るのを防ぎ、美しい状態を保つことができます。

2.胸元を安定させる:伊達締めは、長襦袢の上と着物の上、計2回締めるのが一般的です。伊達締めで胸元をしっかりと固定することで、着崩れを防ぎます。特に、衿元が崩れるのを防ぐ効果が高く、一日中美しい着姿をキープできます。

3. 帯の土台を作る:伊達締めは、帯を締める際の土台にもなります。伊達締めをしっかりと締めることで、帯が安定し、美しい形を保つことができます。

伊達締めの主な種類:通常タイプ、マジックテープタイプ、シャーリングタイプ

伊達締めには、主に以下の3つのタイプがあります。 

1. 通常の布タイプ:
長方形の長い布状が最も一般的なタイプで、両端を結んで固定します。 締め付け具合を自分で調整できるのが特徴です。 素材は正絹、ポリエステル、綿など様々です。 

2.マジックテープタイプ: 
マジックテープで簡単に着脱できるタイプです。 着付け初心者の方や、締め付け感が苦手な方におすすめです。 

3.シャーリングタイプ: 
ゴムシャーリングが入っており、伸縮性があるタイプです。 体にフィットしやすく、動きやすいのが特徴です。長時間の着用でも苦しくなりにくいので、快適に過ごしたい方におすすめです。

タイプによって特徴が異なるため、自分の着付けレベルや好みに合わせて選ぶと良いでしょう。

自分に合った伊達締めの選び方

自分に合った伊達締めを選ぶためには、以下のポイントを考慮しましょう。 

1. 素材: 
素材によって締め心地や通気性が異なります。
正絹は薄い生地で締め心地が良いですが、デリケートな素材です。ポリエステルは丈夫で扱いやすく、洗濯も可能ですが、正絹に比べると締め心地は劣ります。

2. タイプ:
通常の布タイプ、マジックテープタイプ、シャーリングタイプそれぞれに特徴があります。 自分の着付けレベルや好みに合わせて選びましょう。 

3.幅と長さ: 
幅が広すぎると苦しく感じることがありますし、狭すぎると安定感がありません。 長さも同様で、短すぎると結びにくく、長すぎると邪魔になります。自分の体型に合わせて適切な幅と長さのものを選びましょう。 

【素材・タイプ別】伊達締めの特徴&きもの永見おすすめ商品

伊達締めは素材やタイプによって、使い心地や適した着物、季節が異なります。ここでは、代表的な素材である正絹、化学繊維(ポリエステル、ナイロン)について、それぞれの特徴と、きもの永見おすすめの商品をご紹介します。

正絹(シルク):「本場筑前博多織の伊達締め」

伊達締め 正絹博多織 本場筑前

正絹(シルク)の伊達締めは、結びやすさと締まりの良さが魅力です。

特に「本場筑前博多織の伊達締め」は高級感あふれる博多織で、体にぴったりとフィットし着崩れを防ぐのが特徴。昔からの定番商品で、着物愛好家から高い人気を誇ります。正絹はデリケートな素材なので、保管には注意が必要です。湿気を避け、直射日光の当たらない場所で保管しましょう。 また、洗濯は基本的に不可。着用後は半日ほど陰干しして、汗を飛ばしてから保管しましょう。

博多織は、経糸(たていと)を細く密に、緯糸(よこいと)を太くして織り上げることで、独特のハリとコシを生み出します。そのため締めやすく、緩みにくいのが特徴です。 きゅっと締まって安定感抜群なので、着物好きなら一本は持っておきたい名品の伊達締めです。

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化学繊維(ポリエステル):「マジックベルト ゴムタイプ」

化学繊維(ポリエステル)の伊達締めは、耐久性と扱いやすさが魅力です。 

特に「マジックベルトゴムタイプ」は、着脱が簡単で、締め付け具合も調整しやすいのが特徴です。 ポリエステル素材は、シワになりにくく、洗濯も可能なため、普段使いに最適です。ただし、正絹に比べると通気性は劣るため、暑い時期の着用は注意が必要です。

また、比較的安価に入手できるのも魅力の一つ。 着付け初心者の方や、締め付け感が苦手な方におすすめです。マジックテープで簡単に着脱できるため、着付けに手間取る心配がありません。ゴム素材で伸縮性があり、体にフィットしやすいのが特徴です。 締め付け具合も自由に調整できるので、快適な着心地を実現できます。

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化学繊維(ナイロン):「あづま姿 シャーリングタイプ」

化学繊維(ナイロン)の伊達締めは、伸縮性とフィット感が魅力です。 

特に「あづま姿シャーリングタイプ」は、シャーリング加工が施されており、体に優しくフィットします。ナイロン素材は、耐久性に優れており、洗濯も可能なため、お手入れが簡単です。 

シャーリングタイプは、長時間の着用でも苦しくなりにくいのが特徴です。ゴムシャーリングが体にフィットし、圧迫感を軽減してくれるため、快適に過ごすことができます。 動きやすく、着崩れしにくいのも魅力です。

特に、踊りや舞台など、動きの多い場面での着用におすすめです。 ただし、ナイロン素材は吸湿性が低いため、汗をかきやすい時期の着用は、吸湿性の高い肌着と併用することをおすすめします。

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伊達締めの選び方:季節と着物別

伊達締めは、季節や着物によって適切な素材やタイプが異なります。
ここでは、季節(春・秋、夏、冬)と着物の種類(フォーマル、カジュアル)別に、おすすめの伊達締めをご紹介します。

春・秋におすすめの伊達締め

春・秋は、比較的過ごしやすい気候なので、どの伊達締めも問題なく使用できるでしょう。

とくに正絹の伊達締めは、通気性も良く、適度な保温性もあるため、気温差の大きい季節も快適に着用できます。 薄手でかつしっかりと締まるため、一年を通じて使用可能です。

動きやすさとフィット感を求める場合はシャーリングタイプ、着付けの手軽さを求める方にはマジックベルトのゴムタイプもおすすめ。好みや着付けのしやすさに応じて自由に選びましょう。

夏におすすめの伊達締め

夏は、高温多湿な気候のため、通気性が良く、吸湿性の高い素材の伊達締めを選ぶのがおすすめです。

正絹タイプの伊達締めは、適度な通気性があり、また生地が薄いので夏にもおすすめです。また、メッシュタイプの伊達締めを選ぶのもよいでしょう。

厚手のゴムタイプは通気性が低く蒸れやすいので、汗をかきやすい方は夏には避けたほうが無難です。

冬におすすめの伊達締め

冬は、寒さ対策として、保温性の高い素材の伊達締めを選ぶのがおすすめです。 

正絹の伊達締めは、保温性に優れており、暖かく着用できます。
また、マジックベルトのゴムタイプの伊達締めも厚手で暖かくおすすめです。 

1つだけ持つならどれがおすすめ?

もし伊達締めを1つだけ持つなら、正絹の通常タイプがおすすめです。
 
とくに本場筑前博多織の正絹伊達締めは、しっかりと締まるため着崩れの心配がありません。昔からの定番商品だけあって、ファンの多い人気アイテムです。

正絹の伊達締めは、化繊と比べると少し高価ですが、長く使えるため、コストパフォーマンスも高いと言えます。 大切に手入れをすれば、何年も何十年も愛用することができます。着物初心者の方にも、着物上級者の方にも、おすすめできる万能な伊達締めです。 

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伊達締めの相場価格

伊達締めの相場価格は、素材や種類によって大きく異なります。 一般的に、正絹の伊達締めは高価で、化学繊維の伊達締めは比較的安価です。
 
正絹の伊達締めの場合、4,000円から20,000円程度が相場です。 
マジックテープタイプやシャーリングタイプは、1,000円~2,000円と比較的安価に入手できます。

伊達締めは一度買うと長く使えるため、選ぶ際には価格だけでなく、素材や種類、品質などを考慮して、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。

まとめ:自分に合った伊達締めを選ぼう

伊達締めは、着物姿を美しく保つために欠かせないアイテムです。
素材や種類、季節、着物に合わせて、最適な伊達締めを選ぶことで、より快適で美しい着物ライフを送ることができます。

今回の記事では、伊達締めの役割や種類、選び方、おすすめの商品などについてご紹介しました。これらの情報を参考に、ぜひ自分にぴったりの伊達締めを見つけてください。 

 

きもの永見

記事制作

きもの永見コンテンツ制作チーム

天保3年(1832年)創業、老舗呉服店「きもの永見」。190年を超える歴史の中で培った着物への深い知識と、現代の感性を融合させた情報発信を行っています。
現代のライフスタイルに合わせた楽しみ方を提案。「着てみたい」「知りたい」という気持ちに寄り添い、着物の世界への入口となる記事をお届けします。

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