着物を着る際、美しいシルエットを作るために欠かせない腰パッド。この記事では、着物だけでなく浴衣にもおすすめの着付け補正用腰パッドの役割から選び方、おすすめアイテムまで詳しく解説します。補正のコツを知って、より美しい着物姿を目指しましょう。

監修者
着付け師太田 明美(おおた あけみ)
着付け師・着付け講師・きものスタイリスト。美装流前結び着付講師。
2010年より着付け指導をスタートし、現在は「きもの永見」での指導を担当。美しさと快適さを両立した着付け指導で定評がある。
着物の着付けにおける腰パッドの重要性|なぜ必要なの?
理想の着姿を作る!補正用・腰パッドの役割
着物を美しく着こなすためには、 体型を整える補正が不可欠です。 特に、腰回りの補正は着姿の印象を大きく左右します。
腰パッドは、着物特有の美しいシルエットを作り出すための重要なアイテムです。 着物は、ストンとした筒型の体型で着るのが理想とされています。そのため、体の凹凸をできるだけなくし、 なだらかなラインを作ることで、着物がより美しく映えるのです。腰パッドは、この理想的な体型に近づけるための強力なサポート役となります。
具体的には、ウエストのくびれを補正し、腰回りのカーブをなだらかにすることで、着物全体が美しく見えるように調整します。 また、腰パッドを使用することで、着崩れを防ぎ、長時間美しい着姿を保つことができます。 成人式で振袖を着る若い女性にもおすすめです。
最近は反り腰といって腰が反った体型の女性が増えており、補正をせずに着物の着付けを行うと着崩れにつながることも。現代の日本人の体型で美しく、そして着崩れなく着物を着こなすためには、補正は必須といえるでしょう。
体型カバーだけでなく汗取りとしても
腰パッドは、体型を美しく補正するだけでなく、汗取りとしての役割も果たします。 着物を着る際には、何枚も重ね着をするため、 どうしても汗をかきやすくなります。 特に、夏場の着物や浴衣は、汗対策が重要です。
腰パッドは、腰回りに当てることで汗を吸収し、 着物が直接肌に触れるのを防ぎます。 これにより、汗による不快感や、着物の汚れを防ぐことができます。吸湿性や速乾性に優れた素材の腰パッドを選ぶことで、 さらに快適に過ごすことができます。 例えば、メッシュ素材や麻素材の腰パッドは、通気性が良く、汗をかいてもすぐに乾くため、おすすめです。
腰パッドは、体型カバーと汗取りの 両方の役割を果たすため、 着物を着る際には非常に便利なアイテムです。 特に、夏場の着物や浴衣は、汗対策をしっかりと行うことで、 より快適に着こなすことができます。 そのため、吸湿性や速乾性に優れた素材の 腰パッドを選ぶことが重要です。
浴衣にも腰パッドは必要?
浴衣を着る際にも、腰パッドは必要なのでしょうか? 答えは、絶対に必要というわけではありませんが、 使用することでより美しい着姿を実現できます。
浴衣は、比較的カジュアルな着物であり、 着付けも簡単であるため、普段着として気軽に楽しむことができます。 しかし、浴衣も着物の一種であるため、美しいシルエットで着こなすためには、 ある程度の補正が必要です。 腰パッドを使用することで、ウエストのくびれを補正し、腰回りのラインをなだらかにすることができます。 これにより、浴衣全体が美しく見えるようになります。 特に、体のラインが出やすい浴衣の場合、腰パッドを使用することで、よりスタイル良く見せることができます。
また、腰パッドは汗取りとしての役割も果たすため、 夏場の浴衣には特におすすめです。浴衣は、薄手の生地で作られていることが多いため、 汗をかくとすぐに肌に張り付いてしまいます。 腰パッドを使用することで、汗を吸収し、浴衣が肌に直接触れるのを防ぐことができます。 さらに、浴衣は着崩れしやすいという特徴もあります。 特に、帯を結ぶ際に、しっかりと固定しないと、浴衣がずり落ちてきてしまうことがあります。 腰パッドを使用することで、浴衣をしっかりと固定し、 着崩れを防ぐことができます。浴衣を着る際には、腰パッドを使用するかどうかは、 個人の好みや体型によって異なりますが、 より美しい着姿を実現したい場合は、 ぜひ試してみてください。
補正用・腰パッドの種類と選び方は?
素材で選ぶ|蒸れないメッシュ素材がおすすめ
腰パッドを選ぶ際に重要なポイントの一つが、素材です。 特に、夏場の着物や浴衣には、 蒸れない素材を選ぶことが重要です。おすすめは、メッシュ素材の腰パッドです。
メッシュ素材は、通気性が非常に高く、 汗をかいてもすぐに乾くため、 快適な着心地を保つことができます。また、メッシュ素材は軽量であるため、 長時間着用しても疲れにくいというメリットもあります。 一方、綿素材などの腰パッドは、吸湿性は高いものの、通気性が低いため、 夏場には蒸れてしまうことがあります。 これらの素材の腰パッドは、冬場の着物や、比較的涼しい季節に着用する着物におすすめです。
形で選ぶ|ゴムベルト付きが便利
腰パッドを選ぶ際には、形も重要なポイントです。 様々な形の腰パッドがありますが、 特におすすめなのは、ゴムベルト付きの腰パッドです。
ゴムベルト付きの腰パッドは、 腰にしっかりと固定できるため、 着崩れを防ぐ効果があります。 また、ゴムベルトの長さを調整することで、自分の体型に合わせてフィットさせることができます。 一方、ゴムベルトが付いていない腰パッドは、 着付けの際にずれやすく、着崩れしやすいというデメリットがあります。
特に、着物を着慣れていない方は、 ゴムベルト付きの腰パッドを選ぶことで着付けがスムーズに進みます。また、腰パッドの厚さも重要なポイントです。 厚すぎる腰パッドは、 着姿が不自然になってしまうことがあります。 一方、薄すぎる腰パッドは、補正効果が十分に得られないことがあります。 腰パッドの厚さは、 自分の体型や着物の種類に合わせて選ぶようにしましょう。
例えば、ウエストのくびれが気になる方は、厚めの腰パッドを使用することで、 より美しいシルエットを作ることができます。 一方、腰回りのラインをなだらかにしたい方は、 薄めの腰パッドを使用することで、自然な着姿を実現できます。
タオルを使って微調整する方法も
腰パッドとあわせてタオルを使用して、厚みを微調整する方法もあります。タオルを使うことで、より細かく体型を調整することができます。
タオルの使い方としては、 まず、薄手のタオルを用意します。 フェイスタオルやガーゼタオルなどがおすすめです。タオルを折りたたみ、 自分の体型に合わせて厚さを調整します。 ウエストのくびれが気になる場合は、 タオルを厚めに折りたたみ、腰回りのラインをなだらかにしたい場合は、 タオルを薄めに折りたたみます。 そして腰パッドと体の間にタオルを挟み入れ、 着物や浴衣を着付けます。
補正でタオルを使用する際の注意点としては、 タオルが厚すぎると、 着姿が不自然になってしまうことがあります。また、タオルが薄すぎると、 補正効果が十分に得られないことがあります。 タオルの厚さは、 自分の体型や着物の種類に合わせて調整するようにしましょう。さらに、タオルは、 吸湿性が高いため、 汗をかいた際には、 こまめに取り替えるようにしましょう。 タオルをこまめに取り替えることで、 清潔な状態を保ち、肌トラブルを防ぐことができます。

着付け師 太田 明美(おおた あけみ)
タオルは落ちたりズレたりしやすいため、着付け初心者には難しい場合も。ベルト付きの腰パッドならはじめて着付けをする方も簡単に体型を補正できます。
きもの永見おすすめ!腰パッドの人気商品を徹底レビュー
◎メッシュ腰パッド【通年使用・補正用・ゴムベルト付き・手洗い可能】
きもの永見が補正用アイテムとして特におすすめするのが、 メッシュ腰パッドです。
このメッシュ腰パッドは、通年使用可能で、補正用としても優れています。 ゴムベルト付きで、腰にしっかりと固定できるため、 着崩れを防ぐ効果があります。 また、手洗い可能なので、清潔に保つことができます。
素材は、通気性の高いメッシュ素材を使用しており、 汗をかいてもすぐに乾くため、 快適な着心地を保つことができます。また、軽量であるため、 長時間着用しても疲れにくいというメリットもあります。
このメッシュ腰パッドは、 着物を着慣れていない方でも、 簡単に使用することができます。ゴムベルトを腰に巻き、パッドの位置を調整するだけで、簡単に美しい着姿を実現できます。着物だけでなく浴衣にも使用できるため、美しい着姿のために一枚持っておきたいアイテムです。
実際に使用したお客様の口コミ
実際にメッシュ腰パッドを使用したお客様からは、 多くの喜びの声を頂いています。
「通気性が良く、夏場でも快適に着物を着ることができました。」「ゴムベルトが付いているので、着付けが簡単です。」 「手洗いできるので、いつも清潔に保つことができます。」 など、多くのお客様から、 その使いやすさと効果にご満足頂いています。
また、このメッシュ腰パッドは、 着物を着慣れていない方からもご好評いただいています。「娘の浴衣の着付け用に購入しました。くびれのある体型の娘も補正パッドのおかげで浴衣を綺麗に着こなせました」「反り腰の娘用に購入。成人式の振袖の着付け時に使用しましたが、着崩れなく一日過ごせたようです」などの声を頂いています。
このメッシュ腰パッドは、 着物を着るすべての方におすすめできる、 自信を持っておすすめできる商品です。 ぜひ一度お試しください。きっと、着物を着るのがもっと楽しくなるはずです。

着付け師 太田 明美(おおた あけみ)
やせ型で帯が落ちやすい方も、腰パッドを使用することで帯も安定しますよ。
着付けに腰パッドを使用する時の注意点
正しい位置に装着する
腰パッドを使用する際には、正しい位置に装着することが重要です。 腰パッドの位置がずれていると、 補正効果が十分に得られないだけでなく、 着姿が不自然になってしまうことがあります。
腰パッドの正しい位置は、 ウエストの一番くびれている部分です。 ウエストの一番くびれている部分に、 腰パッドの中心がくるように装着します。また、腰パッドの上端が、 肋骨の一番下のラインにくるように調整します。 腰パッドの位置が高すぎると、 胸の下が強調されてしまい、着姿が不自然になってしまいます。 一方、腰パッドの位置が低すぎると、 腰回りがもたついてしまい、 着姿が野暮ったくなってしまいます。
腰パッドの位置を調整する際には、 鏡を見ながら、 全体のバランスを確認することが重要です。 また、着物を着付けた後にも、 再度腰パッドの位置を確認し、必要であれば調整するようにしましょう。 腰パッドの位置が正しいかどうかは、 着姿だけでなく、 着心地にも影響します。 腰パッドの位置がずれていると、締め付け感が強くなり、 長時間着用していると疲れてしまうことがあります。 腰パッドの位置を正しく調整することで、 快適な着心地を保つことができます。
締め付けすぎに注意
腰パッドを使用する際には、 締め付けすぎに注意することが重要です。 腰パッドを締め付けすぎると、 苦しくなってしまい、長時間着用していると体調を崩してしまうことがあります。
また、腰パッドを締め付けすぎると、 着姿が不自然になってしまうことがあります。腰パッドは、あくまで補正するためのアイテムであり、 体を締め付けるためのものではありません。 腰パッドを装着する際には、適度な締め付け感を保つようにしましょう。 目安としては、 指が2本程度入るくらいの余裕がある状態が理想的です。 また、腰パッドを装着した後には、 深呼吸をして、苦しくないかどうかを確認しましょう。 もし苦しいと感じる場合は、 腰パッドを少し緩めるか、 別のサイズの腰パッドを使用するようにしましょう。
また、腰パッドを長時間着用する際には、こまめに休憩を取り、 体を動かすようにしましょう。 体を動かすことで、 血行が促進され、 腰パッドによる締め付け感を軽減することができます。
洗濯方法を確認する
腰パッドを使用した後には、 洗濯方法を確認することが重要です。 腰パッドは、直接肌に触れるため、 汗や皮脂汚れが付着しやすくなっています。洗濯せずに放置すると、 雑菌が繁殖し、 肌トラブルの原因になることがあります。
腰パッドを清潔に保つためには、 こまめに洗濯することが重要です。腰パッドの洗濯方法は、 製品によって異なります。 洗濯表示をよく確認し、 適切な方法で洗濯するようにしましょう。 手洗い可能な腰パッドは、 中性洗剤を使用し、優しく押し洗いします。 洗濯機で洗える腰パッドは、 洗濯ネットに入れ、 弱水流で洗います。
乾燥機を使用すると、 腰パッドが縮んでしまうことがあるため、陰干しするようにしましょう。 また、腰パッドを洗濯する際には、 色落ちする可能性があるため、 他の洗濯物と一緒に洗わないようにしましょう。特に、濃い色の腰パッドは、 色落ちしやすい傾向があります。 腰パッドを長持ちさせるためには、 洗濯だけでなく、 保管方法にも注意が必要です。腰パッドを保管する際には、 湿気の少ない場所に保管するようにしましょう。 湿気の多い場所に保管すると、 カビが発生してしまうことがあります。また、腰パッドを保管する際には、 直射日光を避けるようにしましょう。 直射日光に当てると、 腰パッドが変色してしまうことがあります。
【まとめ】美しい着物姿には腰パッドの補正がおすすめ!
美しい着物姿を実現するためには、 腰パッドによる補正が不可欠です。 腰パッドは、体型を整え、 着崩れを防ぎ、着物姿をより美しく見せる効果があります。
腰パッドを選ぶ際には、 素材、形、厚さなどを考慮し、 自分の体型や着物の種類に合わせて選ぶようにしましょう。また、腰パッドを使用する際には、 正しい位置に装着し、 締め付けすぎに注意することが重要です。 腰パッドを清潔に保つためには、 こまめに洗濯し、適切な方法で保管するようにしましょう。 ぜひ腰パッドを活用して、 着物文化をより深く楽しんでください。

記事制作
きもの永見コンテンツ制作チーム
天保3年(1832年)創業、老舗呉服店「きもの永見」。190年を超える歴史の中で培った着物への深い知識と、現代の感性を融合させた情報発信を行っています。
現代のライフスタイルに合わせた楽しみ方を提案。「着てみたい」「知りたい」という気持ちに寄り添い、着物の世界への入口となる記事をお届けします。
着付け師 太田 明美(おおた あけみ)
浴衣は体型がダイレクトに着付けに響きます。若い方は「反り腰」の方も多いので、浴衣にこそ補正用腰パッドをおすすめしたいです。