着物用バッグには様々な種類がありますが、中でも「利休バッグ」は一つ持っていると幅広いシーンで活躍します。
博多織のおしゃれな利休バッグがあれば、普段使いからパーティーシーン、入学式・卒業式などのセレモニーシーンまで安心です。
伝統とモダンが融合した利休バッグの魅力をたっぷりご紹介します。

監修者
着付け師太田 明美(おおた あけみ)
着付け師・着付け講師・きものスタイリスト。美装流前結び着付講師。
2010年より着付け指導をスタートし、現在は「きもの永見」での指導を担当。美しさと快適さを両立した着付け指導で定評がある。
利休バッグとは?おしゃれな魅力に迫る
利休バッグは、和装小物として、その上品な佇まいと実用性で多くの女性から支持されています。
もともとは茶席で使われることを想定して作られたバッグですが、現代ではその洗練されたデザインから、 普段使いからフォーマルな場面まで、幅広く活用されています。
コンパクトながらも収納力があり、必需品をスマートに持ち運べるのが魅力です。
様々な素材やデザインがあり、持つ人のセンスや好みを表現できるのも人気の理由です。
利休バッグを持つことで、普段の装いに上品さと華やかさをプラスし、より洗練されたスタイルを楽しむことができます。
その多様なデザインと使いやすさから、利休バッグは現代女性にとって欠かせないアイテムとなっています。
持つだけで、いつもの装いが特別なものへと変わるでしょう。
利休バッグの基本と特徴
利休バッグは、その独特の形状と機能性において、いくつかの特徴があります。
利休バッグの形状は横長の長方形型になっており、底が広く、口が大きく開くように設計されており、中身が見やすく、出し入れがしやすいのが特徴です。
これにより、必要なものをすぐに取り出すことができ、所作も美しく見えます。
素材は、正絹や織物、皮革など、さまざまなものが用いられます。
柄も豊富で、伝統的な和柄からモダンなデザインまで、多種多様なバリエーションがあります。 また、利休バッグは、見た目以上に収納力があるのも魅力です。
コンパクトなサイズでありながら、お財布や携帯電話、扇子、袱紗など、必要なものをしっかりと収納できます。
内部にはポケットが付いていることが多く、小物を整理して収納できるのも便利です。
さらに、利休バッグは、そのしっかりとした作りも特徴です。
端正な長方形の形は型崩れしにくく、長く愛用できるものが多く、大切に手入れをすることで、世代を超えて受け継ぐこともできます。
これらの特徴が、利休バッグを単なるバッグとしてだけでなく、 持つ人の品格を表すアイテムとして、特別な存在にしています。
おしゃれな利休バッグの選び方
おしゃれな利休バッグを選ぶ際には、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。
まず、素材と柄です。着物や帯との相性を考慮し、全体のコーディネートに調和する素材と柄を選びましょう。
たとえば、シンプルな着物には、華やかな柄の利休バッグを合わせることで、アクセントをつけることができます。
また、フォーマルな場面では帯地を使用したものなど、上品で控えめな光沢のある正絹素材のものが適しています。
次に、サイズです。利休バッグは、用途に合わせて適切なサイズを選ぶことが大切です。
普段使いには、小さめのものが便利ですが、お茶会など、必要なものが増える場面では、少し大きめのものを選ぶと良いでしょう。
さらに、使いやすさも重要なポイントです。口が大きく開き、中身が見やすいもの、ポケットが多く、小物を整理しやすいものを選ぶと、使い勝手が良いです。
最後に、自分の個性を表現できるデザインを選びましょう。
伝統的な和柄だけでなく、モダンなデザインや洋風の柄など、さまざまなバリエーションがあります。
自分の好みに合ったデザインを選び、おしゃれを楽しみましょう。
博多織利休バッグの魅力
博多織の利休バッグは、その美しい織りと上品な風合いで、多くの人々を魅了しています。
博多織は、福岡県の博多地区を中心に生産される伝統的な織物で、その特徴は、沢山の細い経糸を並べ、柄を浮かせるように綿密に織られている点です。
これにより、独特の光沢とハリが生まれ、美しい模様が際立ちます。
博多織の利休バッグは、その丈夫さも魅力の一つです。しっかりとした織りで作られているため、型崩れしにくく、長く愛用することができます。
また、博多織の柄は、代表的な献上柄をはじめ、さまざまな種類があり、それぞれに異なる美しさがあります。
献上柄は、博多織の代表的な柄で、縞や格子模様が特徴です。
この柄は、江戸時代に幕府への献上品として用いられたことから、その名が付けられました。
普段使いのカジュアルな装いにも、フォーマルな場面にも、上品なアクセントとして活用できます。
その美しい織りと丈夫さ、そして多様なデザインが、博多織の利休バッグの魅力を高めています。
シーン別!利休バッグの着物コーディネート術 入学式や七五三にも
利休バッグは、様々な着物シーンで活躍する万能アイテムです。
コーディネート術をシーン別に紹介します。
普段使いから特別な日まで、利休バッグを取り入れて、おしゃれを楽しみましょう。
普段使いのカジュアルコーディネート
普段使いの着物のカジュアルコーディネートには、利休バッグを気軽に合わせるのがおすすめです。
デニム着物や紬などのカジュアルな着物には、綿や麻素材の利休バッグを合わせると、軽やかな印象になります。
柄は、小紋柄や絣柄など、普段使いしやすいものがおすすめです。
ほかにも、正絹素材でも金糸銀糸が使用されていない利休バッグであればカジュアルな着物にもぴったりです。
利休バッグの色は、ベーシックな色を選ぶと、 どんな着物にも合わせやすいでしょう。例えば、白、ベージュやグレー、ネイビーなどの色は、 普段使いにぴったりです。利休バッグは、普段使いにもぴったりなアイテムです。 ぜひ、普段のコーディネートに取り入れて、おしゃれを楽しんでください。
パーティーシーンのエレガントコーディネート
パーティーシーンでは、利休バッグをエレガントにコーディネートしましょう。
フォーマルな着物、例えば訪問着や付け下げには、 正絹素材の利休バッグを合わせるのがおすすめです。
光沢のある素材や、金糸や銀糸が織り込まれたものを選ぶと、より華やかな印象になります。
柄は、吉祥文様や有職文様など、格調高いものが適しています。
利休バッグの色は、白やシルバー、ゴールドなどを選ぶとよりフォーマルな印象に。
草履バッグがセットになったフォーマル用のバッグをメインで持ち、利休バッグをサブバッグとして合わせるのもおすすめです。
お茶会での上品なコーディネート
お茶会では、利休バッグを上品にコーディネートすることが大切です。
お茶会に着ていく着物は、訪問着や色無地、江戸小紋などが一般的です。
利休バッグは、着物の格に合わせて、 正絹素材のものを選びましょう。
柄は、控えめで上品なものがおすすめです。
例えば、花柄や流水柄、幾何学模様などが良いでしょう。
色は、着物の色に合わせて、 同系色でまとめると、落ち着いた印象になります。
利休バッグの中に入れるものは、袱紗、扇子、懐紙、楊枝など、 お茶会に必要なものだけを厳選しましょう。
利休バッグは、お茶席で膝の上に置くため、 あまり大きすぎないものを選ぶのがポイントです。
また、利休バッグの口が開けやすく、 中身が取り出しやすいものを選ぶと、 所作がスムーズになります。
お茶会では、利休バッグだけでなく、草履やバッグなどの小物も、 着物とのバランスを考えてコーディネートしましょう。
入学式・卒業式や七五三でのセレモニーコーディネート
入学式、卒業式、七五三などのセミフォーマルな場面では、 利休バッグを上品かつ控えめにコーディネートしましょう。
着物は、訪問着、付け下げ、色無地などが適しています。
利休バッグは、正絹素材で、 落ち着いた色合いのものを選ぶと良いでしょう。
柄は、控えめな花柄や幾何学模様、縁起の良い吉祥文様などがおすすめです。
入学式や卒業式では、明るい色の着物に、白系や パステルカラーの利休バッグを合わせると華やかな印象になります。
七五三では、お子様の着物に合わせて親御様の着物や利休バッグの色を選ぶと、 統一感のあるコーディネートになります。
利休バッグの中に入れるものは、ハンカチ、ティッシュ、カメラ、携帯電話など、 必要最低限のものにしましょう。
利休バッグは、式典の間、 椅子の背もたれに置くか、 足元に置くのが一般的です。
入学式、卒業式、七五三などの式典では、 利休バッグだけでなく、 コサージュやアクセサリーなどの小物も、 上品にコーディネートしましょう。
きもの永見おすすめ!人気の利休バッグ2選
きもの永見が自信を持っておすすめする、人気の利休バッグを2点ご紹介いたします。
どちらも、素材やデザインにこだわり、職人の手によって丁寧に作られた逸品です。
普段使いからフォーマルな場面まで、幅広く活躍してくれること間違いなしです。
博多織「織屋誠之輔」琥珀織の利休バッグ(藤紫・白鼠)
博多織の老舗「織屋誠之輔」が手がける、琥珀織の利休バッグです。
琥珀織は、経糸と緯糸に異なる色糸を使用し、 光の加減によって色合いが変化する、 独特の織り方です。
藤紫と白鼠の2色展開で、どちらも上品で落ち着いた色合いです。
正絹素材を使用しており、 光沢があり、手触りが滑らかです。
バッグの口は、大きく開き、中身が見やすく、取り出しやすい設計です。
内部には、ポケットが2つ付いており、 小物を整理して収納できます。
サイズは、横約27cm、縦約17cm、マチ約10cmで、 普段使いにちょうど良い大きさです。
着物だけでなく、洋服にも合わせやすく、 おしゃれの幅が広がります。
この利休バッグは、職人の手によって、 一つ一つ丁寧に作られています。
お茶会や入卒業式、七五三、パーティーシーンにぴったりの上品で端正なデザインです。
博多織正絹 献上柄の利休バッグ(青・薄紫)
博多織の代表的な柄である献上柄をあしらった、正絹の利休バッグです。
献上柄は、独鈷や華皿などの模様が特徴で、江戸時代に博多織が幕府への献上品として用いられたことに由来します。
青と薄紫の2色展開で、 どちらも上品で華やかな色合いです。
正絹素材を使用しており、光沢があり、手触りが滑らかです。
バッグの口は、大きく開き、 中身が見やすく、取り出しやすい設計です。
内部には、ポケットが2つ付いており、小物を整理して収納できます。
サイズは、横約27cm、縦約17cm、マチ約10cmで、 普段使いにちょうど良い大きさです。
着物だけでなく、洋服にも合わせやすく、 おしゃれの幅が広がります。
この利休バッグは、職人の手によって、 一つ一つ丁寧に作られています。
特にお茶会や普段着の着物に合わせてさらりとお持ちいただきたいデザインです。
まとめ:利休バッグであなたらしい和スタイルを
利休バッグは、和装の装いを格上げするだけでなく、普段のスタイルに和のテイストをプラスできる万能アイテムです。
素材や柄、デザインなど、様々な種類があり、自分の好みやシーンに合わせて選ぶことができます。
普段使いのカジュアルなコーディネートから、 パーティーシーンのエレガントなコーディネート、お茶会での上品なコーディネート、 入学式や卒業式などのセミフォーマルなコーディネートまで、 幅広く活躍してくれます。
特に伝統的な博多織の利休バッグは、端正な印象で様々なシーンで使用することができます。
お好みの利休バッグを選ぶことで、着物でのお出かけが一層楽しくなることでしょう。

記事制作
きもの永見コンテンツ制作チーム
天保3年(1832年)創業、老舗呉服店「きもの永見」。190年を超える歴史の中で培った着物への深い知識と、現代の感性を融合させた情報発信を行っています。
現代のライフスタイルに合わせた楽しみ方を提案。「着てみたい」「知りたい」という気持ちに寄り添い、着物の世界への入口となる記事をお届けします。