着物や浴衣の装いをワンランクアップさせる三分紐。豊富な種類の中から、あなたにぴったりの一本を見つけて、おしゃれを楽しみましょう。この記事では、三分紐の選び方から人気ブランドまで、詳しくご紹介します。

監修者
着付け師太田 明美(おおた あけみ)
着付け師・着付け講師・きものスタイリスト。美装流前結び着付講師。
2010年より着付け指導をスタートし、現在は「きもの永見」での指導を担当。美しさと快適さを両立した着付け指導で定評がある。
三分紐とは?魅力と着用シーン
三分紐の役割と魅力
三分紐は、帯留めを通して着物姿にアクセントを加える、おしゃれな和装小物です。通常の帯締めよりも細身で、帯周りをすっきりと見せる効果があります。
また、帯締めとしての実用性はもちろんのこと、その豊富なデザインと色柄によって、着物コーディネートの幅を広げてくれる点が魅力です。
三分紐は、シンプルな着物や帯に遊び心を加えたり、セミフォーマルな装いに上品さをプラスしたりと、様々な表情を演出できます。帯留めとの組み合わせによって、個性を表現できるのも大きな魅力の一つです。
近年では、伝統的な和柄だけでなく、モダンなデザインや洋服にも合わせやすい素材のものが増え、より幅広い世代に親しまれています。手軽に取り入れられるアクセサリーとして、着物愛好家だけでなく、着物初心者にもおすすめです。
三分紐の着用シーン
三分紐は、カジュアルな普段着から、セミフォーマルな装いまで、幅広いシーンで活躍します。
例えば、紬や小紋などの普段着に合わせれば、より一層おしゃれな印象になります。カフェ巡りや美術館など、ちょっとしたお出かけに最適です。また、友人との食事会や観劇など、少しおめかしをしたいシーンにもおすすめです。
上品な三分紐と帯留めを色無地や江戸小紋などのセミフォーマルな着物に合わせれば、上品で落ち着いた雰囲気を演出できます。入学式や卒業式、七五三などの行事にもぴったりです。ただし、三分紐の着用はセミフォーマルなシーンまでにしておくのが無難。三分紐はカジュアルな位置づけの帯締めなので、結婚式など格式の高い場では避けた方が良いでしょう。
浴衣に合わせるのもおすすめです。夏祭りや花火大会など、浴衣でお出かけする際に、三分紐と帯留めをプラスすれば、さらに華やかで個性的な装いになります。
三分紐の選び方:おしゃれ度アップの秘訣
色と柄で個性を演出
三分紐を選ぶ上で最も重要なポイントは、色と柄です。着物や帯の色柄との相性を考慮しながら、自分らしい個性を表現できる一本を見つけましょう。
まず、色の選び方ですが、着物や帯のベースカラーと同系色を選ぶとまとまりのある上品な印象になります。反対に、アクセントカラーとして、着物や帯とは異なる色を選ぶと、おしゃれで個性的な印象になります。
色柄の選び方としては、着物や帯の柄に使われている色を拾うと、統一感が生まれます。また、無地の着物や帯には、柄物の三分紐を合わせると、華やかさをプラスできます。
近年人気の柄としては、シンプルな無地や、繊細な組紐模様、モダンな幾何学模様などがあります。レースタイプの三分紐もあるので、着物や浴衣の雰囲気に合わせて好みで選びましょう。
季節ごとの選び方
三分紐は、素材や色柄によって、季節感を演出することができます。季節に合わせた三分紐を選ぶことで、より洗練された着こなしを楽しむことができます。
春には、淡いピンクやグリーン、イエローなどのパステルカラーの三分紐がおすすめです。桜柄や蝶柄など、春らしいモチーフの帯留めと合わせると、さらに季節感を高めることができます。
夏には、涼しげなブルーや白、シルバーなどの寒色系の三分紐がおすすめです。レース素材の三分紐を選ぶのもよいでしょう。ガラス細工や朝顔柄や金魚柄など、夏らしいモチーフの帯留めと合わせると、涼しげな印象になります。
秋には、深みのある赤やオレンジ、茶色などの暖色系の三分紐がおすすめです。素材は、透け感のない組紐で温かみのあるものが良いでしょう。紅葉柄や菊柄など、秋らしいモチーフの帯留めと合わせると、上品で落ち着いた雰囲気になります。
冬には、白や黒、グレーなどのモノトーンの三分紐がおすすめです。雪の結晶柄やクリスマスモチーフなど、冬らしい帯留めと合わせると、季節感あふれる装いになります。
帯留めとのコーディネート
三分紐の魅力を最大限に引き出すためには、帯留めとのコーディネートが重要です。帯留めは、三分紐を通して帯に固定するアクセサリーで、着物姿に華やかさを添えてくれます。
帯留めを選ぶ際には、三分紐の色や柄との相性を考慮することが大切です。例えば、シンプルな無地の三分紐には、デザイン性の高い帯留めを合わせると、アクセントになります。反対に、柄物の三分紐には、シンプルな帯留めを合わせると、柄が引き立ちます。
また、帯留めの素材も重要なポイントです。陶器やガラス、金属など、様々な素材の帯留めがあります。着物の種類や季節、着用シーンに合わせて、素材を選ぶと、よりおしゃれな着こなしができます。
近年人気の帯留めとしては、アンティーク調のものや、
天然石を使ったもの、手作りの一点物などがあります。帯留め作家の作品展などに足を運んで、お気に入りの一点を見つけるのも楽しいでしょう。
人気アイテムをチェック!おすすめ三分紐
◎三分紐ライトトーンシリーズ
淡く優しい色合いが特徴のライトトーンシリーズは、春夏の装いにぴったりです。桜色や若草色、水色など、見ているだけで心が安らぐような色合いが揃っています。
ライトトーンの三分紐は、淡い色の着物や帯によく合います。例えば、桜色の三分紐は、白やピンクの着物と合わせると、可愛らしい印象になります。また、若草色の三分紐は、ベージュやグリーンの着物と合わせると、爽やかな印象になります。
帯留めは、パステルカラーの天然石を使ったものや、可愛らしいモチーフのものがおすすめです。桜モチーフや蝶モチーフなど、春らしい帯留めと合わせると、さらに季節感を高めることができます。
ライトトーンの三分紐は、普段使いにもおすすめです。デニム着物や木綿着物など、カジュアルな着物と合わせてもおしゃれです。
◎三分紐ディープトーンシリーズ
深みのある色合いが特徴のディープトーンシリーズは、秋冬の装いにぴったりです。臙脂色や深緑色、紺色など、落ち着いた雰囲気の色合いが揃っています。
ディープトーンの三分紐は、濃い色の着物や帯によく合います。例えば、臙脂色の三分紐は、黒や紺色の着物と合わせると、上品で大人っぽい印象になります。また、深緑色の三分紐は、茶色やベージュの着物と合わせると、落ち着いた雰囲気になります。
帯留めは、アンティーク調のものや、漆塗りのもの、べっ甲のものなどもおすすめです。菊モチーフや紅葉モチーフなど、秋らしい帯留めと合わせると、さらに季節感を高めることができます。
ディープトーンの三分紐は、フォーマルなシーンにもおすすめです。色無地や江戸小紋などの着物と合わせると、上品で落ち着いた装いになります。
◎ドットリング帯留め付き レース三分紐
可愛らしいドット柄のリング帯留めが付いたレース三分紐は、コーディネートのアクセントにぴったりです。レースの繊細さとドットのポップさが絶妙にマッチし、普段の着物や浴衣をより一層おしゃれに演出してくれます。帯留めは取り外し可能なので、他の三分紐と組み合わせて使うこともできます。ブローチとしても使用可能。
色は、白、ベージュ、抹茶の3種類。自分の着物や浴衣に合わせて、お好みの色を選びましょう。
三分紐の基本の結び方
基本の結び方
三分紐の基本的な結び方は、蝶結びです。
まず、三分紐を帯の正面に当て、左右の長さを同じくらいにします。次に、右側の紐を上にして、左側の紐と交差させます。
次に、右側の紐を輪っかにして、左側の紐で巻きつけます。
最後に、形を整えて、後ろに回して結び目を帯の中に隠したら完成です。
帯留めの付け方
帯留めは、三分紐を通して帯に固定するアクセサリーです。帯留めを付けることで、着物姿に華やかさを添えることができます。
まず、三分紐を帯の正面に当て、左右の長さを同じくらいにします。
次に、帯留めの裏側にある金具に、三分紐を通します。
次に、三分紐を結びます。結び方は、蝶結びや片花結びなど、好きな結び方で構いません。
最後に、結び目を後ろに回して帯の中に隠し、帯留めの位置を調整して完成です。
帯留めの位置は、少し高めにすると、スタイルが良く見えます。また、帯留めの向きも重要です。帯留めの向きによって、印象が変わるので色々試してみましょう。
帯留めは、三分紐だけでなく、二分紐や四分紐にも付けることができます。紐の種類によって、帯留めの印象が変わるので、着用シーンなどに応じて使分けましょう。
まとめ:三分紐でおしゃれをもっと楽しもう!
三分紐は、着物姿をおしゃれに彩る、魅力的な和装小物です。色や柄、素材、帯留めとの組み合わせによって、様々な表情を演出することができます。
三分紐を選ぶ際には、着物や帯の色柄との相性を考慮しながら、自分らしい個性を表現できる一本を見つけましょう。また、季節感を取り入れたり、帯留めとのコーディネートを楽しんだりすることで、より洗練された着こなしを楽しむことができます。
三分紐は、和装小物の中でも、比較的手頃な価格で購入できるものが多いです。色違いで何本か揃えて、その日の気分や着物に合わせて、コーディネートを楽しむのもおすすめです。

記事制作
きもの永見コンテンツ制作チーム
天保3年(1832年)創業、老舗呉服店「きもの永見」。190年を超える歴史の中で培った着物への深い知識と、現代の感性を融合させた情報発信を行っています。
現代のライフスタイルに合わせた楽しみ方を提案。「着てみたい」「知りたい」という気持ちに寄り添い、着物の世界への入口となる記事をお届けします。