着物を着る時の便利アイテム・「袂(たもと)クリップ」。着物の袖が邪魔になるのを防ぐだけでなく、着物での食事の時に食べこぼしで着物が汚れるのを防ぐこともできます。この記事では、袂クリップの基本的な使い方から、選び方、おすすめアイテムまで詳しく解説します。

監修者
着付け師太田 明美(おおた あけみ)
着付け師・着付け講師・きものスタイリスト。美装流前結び着付講師。
2010年より着付け指導をスタートし、現在は「きもの永見」での指導を担当。美しさと快適さを両立した着付け指導で定評がある。
作業や食事に便利!着物の袖留め・袂(たもと)クリップとは?
着物を着る際、袖が邪魔になることはありませんか?
特に、水仕事や食事の時など、袖が濡れたり汚れたりするのを気にせず、作業に集中したいものです。そんな悩みを解決してくれるのが、着物の袖留め、通称「袂(たもと)クリップ」です。
袂クリップは、着物の袖を一時的に留めて、動きやすくするための便利なアイテムです。袖が邪魔になる作業をスムーズに行えるだけでなく、着物を汚れから守る役割も果たします。また、デザイン性の高いものを選べば、着物姿のアクセントとしても楽しめます。
特に茶道の世界で使われていたものが、一般にも広まったとされています。茶道では、水屋仕事など、袖が邪魔になる作業が多いため、袂クリップは必須アイテムでした。現在では、茶道に限らず、着物を着るすべての人にとって、便利なアイテムとして親しまれています。
袂クリップの役割と効果:茶道の水屋仕事や食事のナプキン留めにも
袂クリップは、着物の袖を留めることで、様々な役割と効果を発揮します。
まず、最も重要な役割は、作業の邪魔になる袖を一時的に固定することです。これにより、水仕事や食事、書道など、袖を気にせず着物での作業がスムーズに行えるようになります。特に茶道の世界では、水屋仕事で着物が濡れるのを防ぐために、袂クリップは欠かせません。
また、食事の際には、ナプキンを留めるクリップとしても活用できます。着物を汚してしまう心配を軽減してくれるでしょう。
袂クリップの選び方:シーン別の種類
袂クリップを選ぶ際には、使用するシーンに合わせて選ぶことが大切です。
例えば、結婚式の食事会などフォーマルな場面でナプキン留めとして使用する際は上品で落ち着いたデザインのものを選ぶのがおすすめです。パールやラインストーンがあしらわれたものや、金属製のシンプルなデザインのものが良いでしょう。
カジュアルな場面では、遊び心のあるデザインのものを選ぶのも楽しいです。柄物や色の鮮やかなものなど、好みに合わせて自由に選ぶことで食事の席の話題にもなっておすすめです。
また、茶道で使用する場合は、派手なデザインは避け、シンプルで機能的なものを選ぶのがマナーです。クリップ式で、着物を傷つけにくい素材のものを選ぶと良いでしょう。
きもの永見厳選!おすすめの袂クリップ
数ある袂クリップの中から、きもの永見が厳選したおすすめのアイテムをご紹介します。
◎上品なパールデザイン:着物の袖留め・たもとクリップ
きもの永見のおすすめは、上品なパールデザインの袂クリップです。
パール風の装飾があしらわれた着物クリップで、繊細な輝きが着物姿をエレガントに演出します。結婚式やパーティー、入学式や卒業式など、特別な日の作業・食事の席にぴったりです。特に結婚式やパーティーなどの食事の席でクリップを留めるために使用すれば、礼装の雰囲気を損なわずに大切な着物を万が一の汚れから守ることができます。
着物の袖を留める用に作られているため、クリップ部分も、大切な着物を傷つけにくいように、丁寧に加工されています。
色もお好みでお選びいただけます。また、専用のケースに入れてお届けしますので、プレゼントにもおすすめです。大切な方への贈り物として、また、ご自身の素敵な着物ライフのためにぜひお求めください。
袂クリップの基本の使い方
袂クリップは、①作業がしやすいよう袖を留めるため②食事の際にナプキンを留めるため と、二通りの使い道があります。それぞれの使い方を見ていきましょう。
基本の使い方:着物のたもとを留めて動きやすく
袂クリップの基本的な使い方は、着物の袖(たもと)を留めて、動きやすくすることです。袖が邪魔になる作業をする際に、非常に役立ちます。
作業する際に袖を留める目的で使用する際は、片側のたもと(着物の袖)にクリップを留め、紐の部分を帯のお太鼓の中に通して使います。お太鼓の反対側からもう片方のクリップを出し、袖に留めます。
クリップの位置は、袖の長さや、留めたい位置に合わせて調整してください。袖口の近くに留めるとたすきがけをした時のように袖が短くなり、水場仕事もしやすくなります。
食事の席での使い方:ナプキンを留めて着物を汚れから守る
袂クリップは、食事の席でも活躍します。
食事の際には、ナプキンやハンカチをクリップで留めて、着物が汚れないように保護します。首にたもとクリップをかけて、両方のクリップでナプキンの上端を留めます。クリップでナプキンを留めることで、食事中にナプキンがずれ落ちる心配がなくなり、安心して食事を楽しむことができます。
ナプキンの位置は、首元や胸元など、汚したくない場所に合わせて調整してください。特に、汁物やソースなど、着物を汚しやすい料理を食べる際には、袂クリップが必須アイテムと言えるでしょう。
まとめ:袂クリップで着物をもっと快適に!
今回は、着物の袖留め「袂クリップ」について、その役割から種類、選び方、使い方まで詳しく解説しました。袂クリップは、着物生活をより快適に、そしてスマートにするための必須アイテムです。
作業や食事の際に袖が邪魔になるのを防ぎ、着物を汚れから守るだけでなく、着物姿のアクセントとしても楽しめます。袂クリップを活用して、着物をもっと身近に、もっと自由に楽しみましょう。

記事制作
きもの永見コンテンツ制作チーム
天保3年(1832年)創業、老舗呉服店「きもの永見」。190年を超える歴史の中で培った着物への深い知識と、現代の感性を融合させた情報発信を行っています。
現代のライフスタイルに合わせた楽しみ方を提案。「着てみたい」「知りたい」という気持ちに寄り添い、着物の世界への入口となる記事をお届けします。